島桑指物

―江戸の粋―

島桑とは

島桑(しまぐわ) 伊豆七島の三宅島、御蔵島に自生する桑材を「島桑」といいます。幽玄な杢目、色艶が粋を尊ぶ江戸人に好まれ、「江戸指物」の最高峰として珍重されました。また、島桑の指物家具を製作する職人は「桑物師」と呼ばれ、畏敬されてきました。材料の枯渇と共に制作者、種類も少なくなりましたが、吉蔵では、「箪笥、茶箪笥、鏡台、飾り棚、針箱」などを製作しております。

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島桑の歴史

昭和の戦後期、洋風化が広まる前まで、関東近辺のお嬢様の婚礼には、島桑の座鏡台が最高の調度品でした。
歌舞伎役者にも、島桑の役者鏡台を使っている方が多くいらっしゃいます。

島桑を使って指物家具を作り出す職人は「桑物師」「桑樹匠」という最高の称号で呼ばれています。
前田桑明、前田南斉、須田桑月、島崎秋吉、佐藤徳太郎、島崎国治など、「桑物師」が江戸指物黄金期を築いた後、木村正氏、戸田敏夫氏、恩田勝哉氏、島崎繁明氏など、現在の江戸指物職人の方々に受け継がれています。
また、古典楽器、琵琶も島桑材が最適で、琵琶職人は日本で数人しかいません。

島桑の特長

しっとりとした粘りのある木味。
緻密で底光りがする木目の美しさ。
山吹色からあめ色に妖変する幽玄な材、「島桑」。

「桑」は用材として、茶道具や指物家具に使われますが、中でも御蔵島産「島桑」は幻の銘木と最高の扱い。
御蔵島は、縄文時代から人が住み、江戸時代からの約束事で成り立っています。
人口の増減はなく、産業の1つが林業。良質のツゲや桑材が、管理のもと伐採され出荷されてきましたが、
いまでは屋久杉以上の、稀少材。自然のまま、森の奥に眠っているそうです。

高貴な色艶と幽玄な木目。時と共にべっこう色に変化してゆく様は、世界でもっとも美しい木材の一つでしょう。

国内の銘木、島桑材を使った指物家具のなかで、特に好まれるのが化粧台(座鏡台)です。
畳の生活から生まれた和家具のため、一面鏡、三面鏡の座鏡、姿見など。
そして、指物家具の技術で基本となるのが和針箱の製作です。
和針箱は江戸指物の定番であり、「吉蔵」の島桑指物家具の中で、今でも人気があります。

吉蔵の島桑商品