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「桑の文化誌」という面白い本

以前、お客様のお宅に伺った折、読書家の御主人の本棚を拝見させていただきました。 膨大な書籍の中で、パッと目に留まった本がコレ、「桑の文化誌」

桑のすべて・・・

養蚕をはじめ生活と深くかかわってきた「桑」について集大成したはじめての本


第一章 桑と蚕

紀元前2000年頃には中国で蚕の飼育が始まったという。

蚕もかっては野生の虫で、野山の桑の葉を食べていた。

桑の木の枝間などに作った繭からほぐした糸の素晴らしさを

知った人間が蚕を人工的に買おうと考えた。

第二章 世界の桑

中国の桑からヨーロッパの桑、さらにアメリカの桑まで

同じ緯度に生息する桑の各国の利用方法が描かれています。

第三章 桑と生活

桑の紙、桑の酒、桑の茶、桑の薬効、そして桑の木材的利用など、

ありとあらゆる暮らしの中に桑は使用されています。

伊豆諸島から小笠原島に連なる島々に自生する桑は

島桑あるいは金桑と称され生活用具に使用された。

中でも御蔵島の桑は世界最高の木質、美しい木目と絶賛され、

家具、工芸品、楽器などに珍重された。

第四章 桑と民俗

桑の説話、桑の故事、桑のことわざ、桑の社寺、桑のつく名前

そして、桑のデザイン。

イギリスのウイリアム・モリスの桑の文様は有名。

第五章 桑と文芸

桑と小説、桑と歌、桑と漢詩など、

 ♪山の畑の桑の実を

 ♪小籠に摘んだはまぼろしか

         (赤とんぼ)


・・・・という具合に

桑についての情報をまとめた貴重な本です。

「桑の文化誌」社団法人千曲会編 郷土出版社

信州大学繊維学部、京都工芸繊維大学、農林水産省の

の諸先生が執筆され、昭和61年初版発行された。



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