今年の駿府楽市「暮らしの調度展」終了しました。
何とか前年並みの売り上げでホットしました。
さて、今回の展示会で異彩を放ったのが、島桑の「屑箱」。
もう20数年ほど前に60本まとめて制作した製品で
島桑製品としては一番多く製作したでしょう。
ただ、その当時でも島桑材は貴重なので、一品製作以外は
本体はキハダ無垢材を使用し、表面に島桑の突板を張ります。
いわゆる金箔の手法と同じですね。
やさしい佇まいに見えるよう、角を丸くし、
面も蛇腹(アール)を取ってある。
更に、丸く開けた蓋も四辺は柔らかく角を落としている。
実に慎ましく控えめな屑箱です。
小物にも拘わらず、随分と細かく丁寧な仕事をしていると
改めて感心しました。
当時の販売価格は2万3千円。
島桑マニアのお客さまが、たまにお買い上げ下さる程度で
ずっと在庫で残っていました。
展示場で他の吉蔵の製品の中にポツンと置かれていたのですが、
販売者の私も何故かそこに引き付けられる。
その美しい木目と色艶を、手で何度も撫ぜてしまいたくなる逸品でした。
その屑箱、展示会最終日に行ったら無くなっていました。
いつの間にかどなたかがお買い上げになったようです。
やっぱり・・・。
美しいものには目が行くんだなと改めて納得。
桑の持つ魅力を再認識しました。
この島桑の屑箱、今でも価格は変わらず2万3千円※。
残りの在庫分はどんなお客様がお求めくださるか。
まだまだ現役で島桑の魅力を放っています。
※2022年11月現在、吉蔵ネットショップでは26,400円(税込)で販売しております。
Comments