家具おもしろ話(吉蔵オーナーコラム)

2019.04.25

島桑の屑箱 

今年の駿府楽市「暮らしの調度展」終了しました。
何とか前年並みの売り上げでホットしました。

さて、今回の展示会で異彩を放ったのが、島桑の「屑箱」。

もう20数年ほど前に60本まとめて制作した製品で
島桑製品としては一番多く製作したでしょう。



ただ、その当時でも島桑材は貴重なので、一品製作以外は
本体はキハダ無垢材を使用し、表面に島桑の突板を張ります。
いわゆる金箔の手法と同じですね。

やさしい佇まいに見えるよう、角を丸くし、
面も蛇腹(アール)を取ってある。
更に、丸く開けた蓋も四辺は柔らかく角を落としている。
実に慎ましく控えめな屑箱です。
小物にも拘わらず、随分と細かく丁寧な仕事をしていると
改めて感心しました。

当時の販売価格は2万3千円。
島桑マニアのお客さまが、たまにお買い上げ下さる程度で
ずっと在庫で残っていました。

展示場で他の吉蔵の製品の中にポツンと置かれていたのですが、
販売者の私も何故かそこに引き付けられる。
その美しい木目と色艶を、手で何度も撫ぜてしまいたくなる逸品でした。

その屑箱、展示会最終日に行ったら無くなっていました。
いつの間にかどなたかがお買い上げになったようです。

やっぱり・・・。
美しいものには目が行くんだなと改めて納得。
桑の持つ魅力を再認識しました。

この島桑の屑箱、今でも価格は変わらず2万3千円。
残りの在庫分はどんなお客様がお求めくださるか。
まだまだ現役で島桑の魅力を放っています。

Copyright (C) 株式会社吉蔵 All Rights Reserved.