お客様の声

壁に収納する仏壇  (2016/4/19)

最近では、身近で故人を偲びたいという考えから、仏壇や厨子をリビングに置くケースが増えてきました。
そのため、仏壇のイメージを払拭した、家具調あるいはモダンスタイルの祈りの家具が主流となっています。
特に今回は、壁の中にすっぽり入ってしまい、出っ張りがないタイプの厨子(小型仏壇)を製作しました。

新築のA宅。
三世代、家族を大切にするご家庭で、出来たらダイニングに仏壇を置きたい。
違和感のない家具調がいいが、仏壇の存在が気になる。
そこで、ニッチ(壁をくり抜いた場所)に収納する仏壇を提案しました。

代々の御位牌と仏像を納めるので、サイズは通常の仏壇サイズ(間口60・高さ75・奥行40cm)を御希望。
普段はオープンにしておくため、扉はどこかに収納出来ると良い。
過去帳、数珠、線香などを収納出来る、抽出が必要。

その結果、吉蔵が創作した「壁面収納仏壇」。
内部は、下から抽出・須弥壇(下台)・港型須弥壇(上台)、仏像の台座と階段状。
上からは格子の幕板が下り、仏像を守る。
そして、扉は「吉蔵」オリジナルの、両サイドへ収納してしまうタイプを使用。
材料は、銘木「縞黒檀」を使用しました。

普段は家族と共にある仏壇。
来客などその時の都合により扉を閉じると、まったく壁収納の一部に。
イスに腰掛けた時、仏像を見上げる目線となる高さを意識して、床から90cmの位置。
ご先祖さまが、いつでも家族の会話に加わっているように、工夫された仏壇です。

 

三人三様のZUSHI KASHIKO(厨子カシコ) 2014/11/20 

あたらしい祈りのかたち「ZUSHI KASHIKO」(厨子カシコ)
2007年グッドデザイン賞(Gマーク)を受賞してから、爆発的ではありませんが、
展示会やネットを通して少しづつ関心を持って下さる方が増えてきました。

そしてこの秋、3件のZUSHI KASHIKOの注文が重なりました。

メープル材の厨子
メープル材の「ZUSHI KASHIKO」

小売屋さんから問い合わせがあり、お見分けのため次の日お客様の所へ送付。
異国から戻った息子さんが、亡きお父様のためにと急遽お求めになりました。

ローズウッド材の厨子
ローズウッド材の「ZUSHI KASHIKO」

石屋さんが併設するギャラリーでZUSHI KASHIKOを見られたお客様が、
納めたいクリスタルがあり、明るい色と暗い色のKASHIKOを検討中とのこと。
こちらもローズ材、メープル材のKASHIKOをそれぞれお見分けのため送付。

屋久杉材の厨子
屋久杉材の「ZUSHI KASHIKO」

ZUSHI KASHIKOに写真を飾りたいと仰有るお客様。
木が好きでさまざまな材の話をしている内に出てきたのが「屋久杉材」。
まさか、針葉樹でKASHIKOを作るとは思っていませんでしたが、
父の代から取ってあった、細かい柾目の屋久杉材を思い出し使用しました。
出来上がったKASHIKKOは香りも含め神棚の趣きも感じられ、とてもお気に入り。
新築のお宅のリビングにどんな風に飾られたのでしょうか。

西洋の教会の屋根のような、農村の茅葺きの屋根のような。
ほこらのようでもあり、ヘルメットのようでもある。
仏壇からさらに離れて、神棚にも近いような。
建築家と指物職人の感性と技が生み出した新しい祈りのかたち「ZUSHI KASHIKO」。
(大切なモノを納め飾る)厨子としての用途がさらに広がっています。

しあわせな家具  2013/08/11 

富士市に住む、素適なシニア女性、Yさんのこと。

数年前、吉蔵の松坂屋展示会にいらして、
「あら!この家具うちにあるわよ。」
・・・ということで会話が弾み、
その折お買上いただいた家具を、Yさんのお宅にお届けに行きました。

「え〜?、この家具も、この家具も、この家具も・・・」
数点の家具が我が社製作の物。
けれども、購入した家具店はすべて違った店なんですって。
以来すっかり親しくさせていただき、今では吉蔵の大得意さまです。

そんなこんなで、行き来がはじまり、先日は、台所におく小振りなデスクのご注文を頂きました。

台所用デスク

  • 一人暮らしのため、台所ですべての用事を済ませることが出来るデスク。
  • 目立ちすぎずシンプルで、しかも上品でクラシックな感じ。
  • テーブルは物が落ちないよう縁を付けて、椅子は軽くスツールで。
  • 抽出の中にちょっと、薬などおけるすペースが欲しい。

出来上がったスモールデスクは、楢材の柾目基調。
特に奇をてらった所はなく、素直なデザインのやさしいイメージ。
李朝スタイルの小箪笥や八角卓、サランバンチェアや島桑の座鏡など、
今までにYさんに愛用されていた家具の中に、しっくりと収まっていました。

台所用スモールデスク

妻や私はYさんのところでお喋りしたり、ご主人の蔵書を見せていただいたり。
静岡へ出掛けられる時はランチをしたり、いっしょに謡いを謡ったり・・・。

Yさんの暮らしのなかで、毎日お役目を果たすことが出来る「しあわせな家具」たち。
そういう家具の製作が、職人魂に磨きをかけ、家具屋冥利に尽きるというものです。  

職人は天才である。  2012/07/27 

以前ブログでもお話しした、お父様を祀るための仏壇を納めて参りました。
木工製作のプロ職人で、かつてはヨットの内装を担当していたK氏。
引退してから自宅の改造に取り掛かり、
アイデアにまかせてのユニークな部屋作りの途中で逝去されたとのことでした。
ご遺族は、数件の候補の中から「吉蔵」を選んでくださった、貴重なお客様です。

押し入れを仏間に改造するという要望のため、「吉蔵」の職人のNさんとK宅を尋ね、
奥様からご主人の逸話をいろいろと伺いました。
そして、その成果となる玄関、リビング、和室、トイレなどを拝見し、
木工デザインに対する旺盛な好奇心と、
それを実現する技術の高さにただただ感心し、驚くことばかりでした。

アーチ家具制作

そんな、K氏の業績を目の当たりにした職人Nさん。
対抗意識を燃やしたのか、それから俄然、製作態度が変わっていきました。
お客様のプライベートなことなので、くわしくお話し出来ませんが、
例えば、「アーチ型の幕板」のデザインについて。

リビングにある、ご主人が製作した窓上巾2mほどのチーク材を使ったアーチ型の壁面。
そのデザインを、そのまま仏壇の幕板に利用してほしいとの依頼がお客様よりありました。
Nさんが考えたのは、チーク材の矢羽根の模様とその方向。
本尊の仏像の後背から、光が上方に拡散するようにチークの柾目を張り分けていく。
しかも矢羽根の間には、黒檀の細い筋まで入れる凝りようです。

さらに、Nさんが考えたオリジナル技術、扉が両サイドに納まる「引き込み戸」は必須。
仏壇の照明のスイッチを自在な位置に持ってくるための工夫も私には考えつかないほど。
最終的に出来上がったチークの仏壇は、繊細で緻密、上質な仕上がり感に溢れていました。

アーチ家具制作

「主人なら、きっと自分の仏壇をこのように作ったでしょう。とても感激です。」
奥様の満足感あふれる言葉を聞いて、職人冥利に尽きるNさんの姿でした。

自分の思うままにモノを作ってしまう、まことに「職人は天才」である。
亡くなったK氏の残した遺産が、Nさんの製作意欲に火を付けた。
そうして、優れたモノはこの世に脈々とつながり、生み出されていくのだと思います。

家具を大切に!修理して使おう  2011/03/30

3月11日の東北太平洋沖大地震のあと、東北や関東方面で、転倒した家具の事が気になっていました。

厨子の家具修理1

一週間ぐらいして、「吉蔵」製作の厨子が転倒して傷になった話が二件ありました。
一件は、傷はないのですが、灰が被って汚れてしまっている。
もう一件は、左下の部分が凹んでしまっている。
何れも軽傷なのですが、送っていただき直すことになりました。

こういうケースこれからもっと増えていくでしょう。
被災地で瓦礫の中から、大切な物を捜している方や、
転倒し、破損した物を片付けている方が多くいらっしゃると思います。

それほど大きな家具でなければ、修理してお使いになることを勧めます。
新しい生活になったとき、小さくても家具があれば重宝します。
がら〜んとした部屋の中に、家具があってこそ、毎日の暮らしに潤いが生まれる。

「吉蔵」でも、以前からお客様の大切な家具の修理をさせていただいております。
主に古くなった和家具なのですが、手仕事で丁寧につくられた家具が多い。
老練で仕事のわかる職人が、丁寧に修理して新しくよみがえり、お客様に喜ばれています。

現在も、お客様からお母様の使用した「島桑の座鏡」の修理をさせていただいています。

島桑の座鏡の家具修理2

修理について

① まず、お電話下さい。
② お近くの方でしたら、お伺いするか、家具をお持ちいただくか。
  遠方の方でしたら、家具全体と破損の箇所の写真をお送り下さい。
③ お客様がどの程度の修理を希望しているのか、お知らせ下さい。

その上で、大まかなお見積をさせていただきます。

簡単な傷でしたら、ホームセンターへ行って修理の道具を買って直された方が早いです。ホームセンターには、実に簡単で便利な、修理用品が揃っています。

「桐箪笥」の削り直しのように、再塗装、金具交換など新品のようになさりたい場合は、
やはり、私たち家具屋、または専門の職人さんに直してもらうのがいいと思います。
万単位の費用がかかりますが、お気に入りの家具でしたら絶対おすすめです。

共に暮らしてきた家具には、その人の思い出と文化があります。
どうぞ、家具を大切に、修理して使いましょう。

屋久杉のスクリーン  2010/02/03

屋久杉は屋久島の標高500mを超える山地に自生するスギ。
このうち樹齢1,000年以上のものを指す。
(樹齢1,000年未満のものは「小杉」と呼ぶ。)
日本ではこの、長寿を象徴する屋久杉ファンが多く、建築や家具に珍重されています。

地域による嗜好もあって、主に西日本で人気があります。
九州の材木屋や家具メーカーがこの材を使って製品を作っています。

同じように、伊豆の島々に自生する「島桑」も日本の銘木中の銘木ですが、
関東好みで、不思議と関西では人気がありません。
もっとも、数量としたら、屋久杉の比ではないので、あまり知られていないのでしょう。
ほんの一握り、島桑狂いのような人のための、幻の材には違いないのですが。

屋久杉のスクリーン

この屋久杉ファンのお客様がいて、李朝シリーズのスクリーンを、
屋久杉を使って作って欲しいと依頼されました。

杉材は針葉樹のため、やわらかく、明るい色合いが特徴で、どちらかというと数寄屋風。
一方、李朝は、純和風というより大陸的な風貌で、民芸色が強い。
はたしてどんな雰囲気のスクリーンが出来あがるか、興味がありました。

背の高い方なので、若干高さを増やした以外、まったく同じデザイン。
使用した和紙も、李朝シリーズと同じ、スサの多い越前手漉き和紙。
にもかかわらず、こうも印象が違う物かと驚きました。
上品で、公家さんのような、はんなりとしたイメージの家具。

家具を送付して翌日、お客様から電話がありました。
「李朝のスクリーンが、こんな優しい和風の家具になるなんて。
まるで昔からここにあったような懐かしさがあって、びっくりしました。」
「ありがとうございます。職人は、屋久杉に惚れ込んで、楽しみながら製作したようですよ。
新しい材を提案していただいて、感謝しています。」

もの作りをする者は、お客さまに導かれて、新たな製作意欲が沸いてきます。
新しい素材、新しいデザイン、新しい技術。
優れた職人は、常にチャレンジ精神をもって、未知なる分野を切り開いていくものです。

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